顕微分光・顕微質量分析法による放射組織の研究

顕微分光・顕微質量分析法による放射組織の研究

P. Zheng, D. Aoki, M. Yoshida, Y. Matsushita, T. Imai, K. Fukushima
Lignification of ray parenchyma cells in the xylem of Pinus densiflora.
Part I: Microscopic investigation by POM, UV microscopy, and TOF-SIMS
Holzforschung, DOI:10.1515/hf-2013-0231 (2014)
http://dx.doi.org/10.1515/hf-2013-0231

現在、様々な「顕微鏡」が世界中で活躍しています。
得られる「イメージ」画像が例えば256×256ピクセルで表示される場合、
その1つ1つのピクセルが内包する情報は、どのような顕微鏡を使ったのかで変化します。
光学顕微鏡であれば可視光線、UV顕微鏡であれば紫外線、そして電子顕微鏡では電子線への応答であり、
イメージング質量分析法においてはマススペクトルになります。

本研究ではアカマツ(Pinus densiflora)の辺材から心材に至る過程について、
特にリグニン成分の変化を追跡するため、各種顕微鏡を用いて分析を行いました。
  偏光顕微鏡(POM)、顕微分光光度計(UV顕微鏡)、走査電子顕微鏡(SEM)、
  および二次イオン質量分析装置(TOF-SIMS)

結果より、各細胞の木化過程、つまり細胞死および木化のタイミングとリグニン量の変化について、
新たな情報を得ることが出来ました。