熱帯樹グメリナ内の抽出成分分布の可視化

熱帯樹グメリナ内の抽出成分分布の可視化

B. Mangindaan, Y. Matsushita, D. Aoki, S. Yagami, F. Kawamura, K. Fukushima
Analysis of distribution of wood extractives in Gmelina arborea by gas chromatography and time-of-flight secondary ion mass spectrometry
Holzforschung, DOI:10.1515/hf-2016-0129 (2017)
DOI:10.1515/hf-2016-0129

熱帯植物の一種にグメリナ(Gmelina arborea)という樹があります。
グメリナには特有の抽出成分としてグメリノールという化合物があり、
さらに類似した構造のパウロニン、7’-O-エチルアルボレオールも有しています。
このような抽出成分は、それぞれ異なった役割を持っており、
樹幹内でも異なった分布をしているのではと考えられてきましたが、
その詳細はあまり明らかになっていません。

本実験ではこれら抽出成分の樹幹内分布を明らかにすべく、
飛行時間型二次イオン質量分析(TOF-SIMS)を用いた可視化を行いました。

化合物ごとの分布を調査した結果、これらの化合物は異なった分布様式を有しており、
生合成されるタイミングや、拡散挙動の差異が示唆されました。
植物内における分布の違いから、それら化合物の役割について
さらなる研究の進展が期待されます。