フェニルクマラン型リグニンモデル化合物のフラグメント化機構

フェニルクマラン型リグニンモデル化合物のフラグメント化機構

Yasuyuki Matsushita , Kousuke Ioka , Kaori Saito , Ruka Takama , Dan Aoki and Kazuhiko Fukushima:
Fragmentation mechanism of the phenylcoumaran-type lignin model compound by ToF-SIMS.
Holzforschung, 67, 365–370 (2012).
http://dx.doi.org/10.1515/hf-2012-0115

概要

二次イオン質量分析において、高分子リグニン中に含まれる結合の開裂パターンを調査しました。
リグニンの二量体モデルであるフェニルクマラン型化合物には2つのベンゼン環があります。
これまでに報告されている2種類のリグニンフラグメント生成において、
この2つのベンゼン環のどちらから発生しているのか、
つまりどこの結合が切れているのかがわかっていませんでした。
本論文では安定同位体ラベリングという手法を用いて、
このフラグメント化機構の詳細を明らかにしました。