非フェノール性リグナンのアルカリ分解
B. Mangindaan, Y. Matsushita, D. Aoki, S. Yagami, K. Fukushima
Studies on non-phenolic lignan in alkali cooking
Holzforschung, DOI: 10.1515/hf-2017-0056 (2017)
DOI: 10.1515/hf-2017-0056
リグナンとは植物中に含まれる特定の骨格構造を有する物質の総称です。
本研究では紙・パルプの製造工程において、
用いる樹木中に含まれるリグナンがどのような挙動を示すのか調査しました。
具体的には6種類のリグナンを用いて高温アルカリ条件での反応を行い、
リグナンの分解速度を評価しました。
さらに得られた分解生成物の構造解析から、分解反応経路を推定しました。
結果より、これまでほとんど分解しないと考えられていた
非フェノール性リグナンが分解することがわかりました。
特にβ-β’結合の開裂が起こることを安定同位体標識法によって証明しました。
またβ位水酸基の有無がフロフラン構造の安定性には
ほとんど寄与していないこともわかりました。