リグニンをコアとした星型界面活性剤
M. Kajihara, D. Aoki, Y. Matsushita, K. Fukushima
Synthesis and characterization of lignin-based cationic dye-flocculant
J. Appl. Poly. Sci. DOI: 10.1002/app.46611 (2018)
DOI: 10.1002/app.46611
リグニンの骨格は芳香環を主体としたものであり、疎水的です。
そこへ高極性の側鎖、例えばイオン性の側鎖を導入することで、
界面活性剤を合成することができます。
このような界面活性剤の構造パラメータ
(疎水性部分と親水性部分の比率、鎖の長さや密度など)を
詳細に調査することで、界面活性剤の性能を最適化することができます。
本研究ではリグニンをコア材料として、
長さ・密度を制御しながらカチオン性側鎖を導入することで、
様々な界面活性剤を合成し、アニオン性色素に対する除去性能を調査しました。
結果より、側鎖には丁度よい密度があり、密集しすぎると逆効果であること、
また、側鎖はある程度長いほうが良いことを定量的に示しました。
さらにカチオン性ポリマーのみの場合と比較して、
リグニンをコアとした星型構造を有すると高効率に除去できることがわかりました。